Cisco IOS show interfaces CRCエラー input errors トラブルシューティング

ネットワーク障害の初期調査では、show interfacesコマンドによるエラーカウンタ確認が最初の一手として非常に有効です。特にCRCエラーやinput errorsの増加は、物理層やリンク設定の不一致といったトラブルの兆候です。

本記事では、実際の出力例を使いながら各カウンタの意味・原因・対処法・確認の手順まで、現場目線で体系的に解説します。

👷 現場での体験談

あるスイッチポートで「通信が不安定で時々切れる」という問い合わせがありました。pingを打っても断続的にロスが出る程度で、原因がつかめない状態でした。

show interfacesでエラーカウンタを確認すると、CRCが数分で数百件増加していました。ケーブルを交換した瞬間にCRCエラーがピタリと止まり、通信が安定しました。原因は経路途中でケーブルが強く折り曲げられて内部断線に近い状態になっていたことでした。見た目は正常なケーブルでも内部で問題が起きている場合があります。エラーカウンタを見れば物理問題かどうかが一目でわかります。

エラーカウンタの確認コマンド

! 特定ポートのカウンタ確認
Switch# show interfaces GigabitEthernet0/1

! 全ポートを一括確認(ポート数が多い環境で有効)
Switch# show interfaces

! エラー項目だけを絞り込む
Switch# show interfaces GigabitEthernet0/1 | include error|CRC|collision|reset

! カウンタをクリアして再測定(単位時間でのエラー発生頻度を確認)
Switch# clear counters GigabitEthernet0/1

出力例と各フィールドの意味

GigabitEthernet0/1 is up, line protocol is up
  Hardware is Gigabit Ethernet, address is 0011.2233.4455
  MTU 1500 bytes, BW 1000000 Kbit/sec, DLY 10 usec,
     reliability 255/255, txload 1/255, rxload 1/255
  Full Duplex, 1000Mbps, media type is RJ45
  Last clearing of "show interface" counters 00:12:35   ← カウンタを最後にクリアした時刻

     345 input errors, 120 CRC, 80 frame, 0 overrun, 0 ignored
  ↑input errorsはCRC・frame・overrun・ignoredの合計値
     234 output errors, 0 collisions, 5 interface resets
     0 late collision, 0 deferred
ℹ input errorsはサブカウンタの合計値 input errorsCRC + frame + overrun + ignored + その他エラーの合計値です。たとえばCRC=0でもoverrunやignored、またはその他のエラーが増えているとinput errorsが増加します。input errorsが増えたらサブカウンタ(CRC・frame・overrun・ignored)をそれぞれ確認して原因を特定してください。

各エラーカウンタの意味と原因・対処法

図1:インターフェースエラーの種類と発生頻度(現場経験ベース)
CRC フレームの整合性エラー(最重要チェック項目)

受信したフレームのCRC(巡回冗長検査)値が一致しないエラーです。CRCエラーが増加している場合は物理層の問題を最優先で疑います。

原因対処
ケーブルの折れ・断線・劣化規格準拠品に交換。配線経路も確認
速度/デュプレックスの不一致両端をautoまたは同一値(full/1000)に統一
光ファイバのコネクタ汚れ・曲げコネクタを清掃し最小曲げ半径以上で配線
ノイズ干渉(電源ケーブルとの近接など)ケーブル経路見直し、シールドケーブル使用
frame フレームアライメントエラー

フレーム境界がずれたり、サイズが不正な場合に発生します。CRCと同時に増加することが多く、デュプレックス不一致が最も多い原因です。

対処:両端のデュプレックス設定を確認・統一する。全二重環境でframeエラーが増える場合はデュプレックス不一致を疑う
カウンタ名意味主な原因正常値
input errors受信エラーの合計(CRC・frame・overrun・ignored等の合算)物理層不良・設定不一致0
CRCフレームCRC値の不一致ケーブル不良・デュプレックス不一致・ノイズ0
frameフレームアライメントエラーデュプレックス不一致0
overrun受信バッファがあふれてフレームを破棄トラフィック過多・CPU過負荷0
ignoredバッファ不足で受信フレームを無視受信バッファ枯渇・トラフィック過多0
output errors送信エラーの合計バッファ不足・リンク障害・ポート不良0
collisions送信中の衝突(半二重通信時に正常発生)全二重設定で増えている場合はデュプレックス不一致全二重では0
late collisionスロットタイム後に発生する衝突デュプレックス不一致の典型的なサイン0
interface resetsインターフェースリセット回数リンク断・ポート障害・設定変更頻繁な増加はNG

late collisionについて(デュプレックス不一致の典型サイン)

通常のcollisionは半二重通信での正常な衝突ですが、late collisionはスロットタイム(512ビット時間)を超えた後に発生する衝突で、正常な通信では発生しません。full-duplex環境でlate collisionが増えている場合は、両端のデュプレックス設定が不一致(一方がfull-duplex、もう一方がhalf-duplex)の典型的なサインです。

! デュプレックス・速度の確認
Switch# show interfaces GigabitEthernet0/1 | include Duplex|Speed|duplex|speed

! 設定を変更する場合(両端で統一すること)
Switch(config)# interface GigabitEthernet0/1
Switch(config-if)# duplex full
Switch(config-if)# speed 1000

! または両端autoネゴシエーションに戻す(推奨)
Switch(config-if)# duplex auto
Switch(config-if)# speed auto
⚠ 速度・デュプレックスは両端を同時に変更する 片側だけduplex fullに固定し、対向がautoのままだと不一致になります。両端同時にautoに設定するか、両端を同一の固定値に統一してください。Gigabit Ethernetでは基本的にautoを推奨します。

実務での確認ステップ

1
input errors / output errors がゼロか確認する

どちらかが増えていれば次のステップへ。ゼロなら物理層の問題ではない可能性が高い。

2
サブカウンタ(CRC・frame・overrun・ignored)を個別に確認する

CRCが増えていれば物理層(ケーブル・ポート・ノイズ)。frameが増えていればデュプレックス不一致。overrunやignoredが増えていればトラフィック過多またはCPU過負荷。

3
late collisionが増えていればデュプレックス設定を確認する
Switch# show interfaces Gi0/1 | include Duplex|late
4
カウンタをクリアして再測定する

エラーが「過去の累積」なのか「今もリアルタイムに発生中」なのかを判断するために必須です。

Switch# clear counters GigabitEthernet0/1
! 5〜10分後に再確認して短時間で増加していれば現在も発生中
5
物理対応(ケーブル交換・ポート変更)を実施する

CRCが再び増えるようであれば別のポートに差し替えてポート故障かケーブル故障かを切り分ける。

エラー発生時の主な原因と対策

原因発生するエラー対策
ケーブル断線・劣化・折れCRC↑ input errors↑規格準拠品(Cat6以上)に交換。配線経路も確認
速度/デュプレックス不一致CRC↑ frame↑ late collision↑両端をautoまたは同一固定値(full/1000)に統一
光ファイバのコネクタ汚れ・曲げCRC↑ input errors↑コネクタを清掃し最小曲げ半径以上で配線
ノイズ干渉(電源ケーブル近接)CRC↑ケーブル経路見直し、シールドケーブル使用
ポート故障CRC↑ resets↑別ポートに差し替えて切り分け。改善すればポート故障
トラフィック過多・CPU過負荷overrun↑ ignored↑ output errors↑QoSやポリシー適用、機器のスペック見直し

運用時のチェックポイント

📋
定期的なエラー確認
週次・月次で全ポートのエラーカウンタを確認し、増加傾向を早期に検知する
🔍
clear countersで現在の状態を確認
カウンタをクリア後に短時間で再発するかで「今も発生中か」を判断する
⚙️
全二重でcollisionsをゼロに
Gigabit Ethernet環境はほぼすべて全二重。collisionsが増えていればデュプレックス設定を確認
🔌
重要リンクはケーブルを定期点検
見た目が正常でも内部断線している場合がある。CRCが増え始めたらケーブル交換を検討

まとめ

インターフェースエラーカウンタは、ネットワーク障害を早期に発見・切り分けするための重要な診断情報です。

  • input errorsはCRC・frame・overrun・ignoredの合計値。サブカウンタを確認して原因を特定する
  • CRC増加→ 物理層(ケーブル・ポート・ノイズ)を疑う
  • late collision増加→ デュプレックス不一致の典型サイン。両端のduplex設定を確認
  • clear countersでカウンタをクリアして短時間での再発を確認する
  • ケーブル交換・ポート変更で改善するかを切り分ける
  • 定期的なエラー確認で障害の予兆を早期検知する

特にCRCやlate collisionの増加は見逃さず、物理層・設定の切り分けを迅速に行うことで安定したネットワーク運用を維持できます。

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