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Cisco IPsec VPNが繋がらない時の切り分け手順
Cisco機器でポートの状態を一覧で確認する際によく使うのがshow interfaces statusコマンドです。この出力でadmin downと表示されることがありますが、これは物理的な故障ではなく、設定上ポートが管理的に停止されている状態を示します。
本記事では、show interfaces statusの各Status値の意味・admin downになる原因と対処方法・err-disabledの回復手順・show interfacesとの使い分けまで体系的に解説します。
新しいPCをスイッチに接続したところ通信できないという問い合わせがありました。スイッチのポートを確認するとadmin downになっていました。
そのポートは以前は別の機器が接続されており、機器撤去時にセキュリティポリシーに従ってshutdownされたままになっていました。「ケーブルをつないだのに通信できない=物理障害」と思い込みがちですが、admin downはケーブルや機器の問題ではなく設定の問題です。no shutdownの一行で解決しました。Statusの意味を正確に知っているかどうかで、問い合わせ対応の速度が大きく変わります。

show interfaces statusの出力例
Switch# show interfaces status
Port Name Status Vlan Duplex Speed Type
Gi0/1 connected 10 a-full a-100 10/100/1000BaseTX
Gi0/2 notconnect 1 auto auto 10/100/1000BaseTX
Gi0/3 err-disabled 20 a-full a-100 10/100/1000BaseTX
Gi0/4 disabled 1 auto auto 10/100/1000BaseTX
Gi0/5 admin down 1 auto auto 10/100/1000BaseTX
Gi0/6 connected 30 a-full a-1000 10/100/1000BaseTX| フィールド | 意味 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| Status | ポートの状態(最重要) | connected / notconnect / admin down / err-disabled |
| Vlan | 割り当てVLAN | trunkの場合は「trunk」と表示 |
| Duplex | 全二重/半二重 | a-full = オートネゴで全二重確立。halfは要注意 |
| Speed | リンク速度 | a-100 = オートネゴで100Mbps確立 |
各Statusの意味と原因・対処
ケーブル接続・リンク確立・通信可能な正常状態です。Duplex・Speed欄のa-プレフィックスはオートネゴシエーションで確立されたことを示します。
ポートにケーブルが刺さっていない、または対向機器の電源OFFやポートダウンの状態です。
物理障害ではありません。管理者がshutdownコマンドを実行して意図的に停止している状態です。
ポートセキュリティ違反・BPDUガード・ループ検知などをスイッチが検知して自動でポートを無効化した状態です。単純にno shutdownするだけでは根本解決になりません。
show errdisable recovery・show loggingadmin downの対処方法
ポートを有効化する
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface GigabitEthernet0/5
Switch(config-if)# no shutdown
Switch(config-if)# end
! 有効化を確認
Switch# show interfaces status | include Gi0/5- そのポートの用途・接続先を台帳で確認
- 割り当てVLANが正しいか確認(
show running-config interface Gi0/5) - 意図しない機器が接続されていないか物理確認
VLANの確認と割り当て
! VLANの存在確認
Switch# show vlan brief
! VLANを作成して名前を設定
Switch(config)# vlan 10
Switch(config-vlan)# name DATA
Switch(config-vlan)# exit
! ポートをVLANに割り当て
Switch(config)# interface GigabitEthernet0/5
Switch(config-if)# switchport mode access
Switch(config-if)# switchport access vlan 10
Switch(config-if)# no shutdownerr-disabledの原因特定と回復手順
! err-disabledになった理由を確認
Switch# show errdisable recovery
! syslogで詳細確認
Switch# show logging | include Gi0/3
! 原因を解消してから手動復旧
Switch(config)# interface GigabitEthernet0/3
Switch(config-if)# shutdown
Switch(config-if)# no shutdown| err-disabledの原因 | 意味 | 対処 |
|---|---|---|
| bpduguard | スイッチが接続されてBPDUを受信した | 接続機器を確認・撤去またはBPDU Guard設定を見直す |
| psecure-violation | ポートセキュリティで未登録MACが検出された | MACを登録するかポートセキュリティ設定を見直す |
| storm-control | ブロードキャストストーム閾値を超えた | ループの有無を確認してから復旧 |
| loopback | ループを検知した | 物理配線を確認してループを除去してから復旧 |
show interfaces statusと他コマンドの使い分け
| コマンド | 特徴 | 使う場面 |
|---|---|---|
| show interfaces status | 全ポートを一覧表示。状態・VLAN・速度が一目でわかる | 障害調査の最初の一手。全体把握 |
| show interfaces [IF] | 特定ポートの詳細。CRC・input errorsなどエラーカウンタも確認できる | 通信エラーやパケットロスを詳しく調査 |
| show ip interface brief | L3インターフェース(SVI等)のIP・Up/Downを一覧表示 | L3スイッチのSVIやルータのIF確認 |
運用上の注意点
まとめ
show interfaces statusはポート状態を一覧で把握できる、障害調査の起点となるコマンドです。
- connected:正常 notconnect:ケーブル・物理問題
- admin down/disabled:shutdownによる管理的停止。物理障害ではない。
no shutdownで復旧可能 - err-disabled:スイッチが自動検知した問題による停止。まず原因を確認・解消してから
shutdown→no shutdownで復旧 - err-disabledの原因は
show errdisable recoveryとshow loggingで特定する - 未使用ポートはshutdownでセキュリティリスクを低減する
Statusの意味を正確に理解しておくだけで、問い合わせ対応の速度と精度が大きく変わります。
よくある質問(FAQ)
Q. IPsecのPhase1が確立しない主な原因は?
事前共有鍵(Pre-Shared Key)の不一致、暗号化アルゴリズム/ハッシュアルゴリズムの不一致、ISAKMPポリシーのライフタイム不一致、対向ピアIPアドレスの誤り、UDP 500/4500がファイアウォールでブロックされているケースが主な原因です。debug crypto isakmp で詳細なエラーメッセージを確認できます。
Q. IPsecのデバッグコマンドは?
debug crypto isakmp でPhase1(IKE)のネゴシエーションを、debug crypto ipsec でPhase2(IPsec SA)のネゴシエーションをデバッグできます。show crypto isakmp sa でPhase1の状態、show crypto ipsec sa でPhase2の状態を確認します。デバッグ後は必ず undebug all で無効化してください。
Q. IPsec SAをクリアして再接続するには?
clear crypto sa で全IPsec SAをクリアし、clear crypto isakmp でIKE SAもクリアできます。設定変更後はSAをクリアしないと新しい設定が反映されないため、パラメータ変更後は必ずクリアを実行してください。対向側にも同様の操作を依頼するとスムーズです。



