はじめに

ネットワークの基礎として欠かせない「イーサネット」と「MACアドレス」。LAN(ローカルエリアネットワーク)で通信する際に使われる重要な技術です。今回は、これらの役割や仕組みを初心者にもわかりやすく解説していきます。


イーサネットとは?

ローカルネットワークの基本技術

イーサネット(Ethernet)は、パソコンやプリンタ、スイッチなどをケーブルで接続して通信するための規格です。家庭やオフィスなどで使われるLANの標準的な方式です。

  • 速度:10Mbps → 100Mbps → 1Gbps(現在主流)
  • 通信方式:基本的にブロードキャスト方式(全端末に送る)

フレームの単位で通信する

イーサネットでは、「フレーム」と呼ばれるデータのかたまりで通信を行います。フレームには送信元と宛先の情報が含まれており、それがMACアドレスです。


MACアドレスとは?

ネットワーク機器の「識別番号」

MACアドレス(Media Access Control Address)は、ネットワーク機器1つ1つに割り当てられた一意の識別番号で、48ビット(6バイト)の16進数で構成されています。

  • 例:00:1A:2B:3C:4D:5E

このアドレスは、主にNIC(ネットワークインターフェースカード)にあらかじめ組み込まれており、基本的に変更されません(※一部ソフト的に変更可能な場合もあり)。

MACアドレスの構成

00:1A:2B : ベンダーID(製造会社)
3C:4D:5E : デバイスID(固有識別番号)

これにより、ネットワーク上のデバイスが個別に識別されます。


イーサネットとMACアドレスの関係

イーサネット通信では、送信元と宛先のMACアドレスをフレームに含めてデータを送信します。これにより、ネットワーク内で誰が誰にデータを送っているかを正確に判断できます。

図でイメージしよう

┌────────┐       ┌────────┐
│ PC-A        │─────▶│ PC-B        │
│ MAC: AA:BB:CC │       │ MAC: DD:EE:FF │
└────────┘       └────────┘
      ▲送信元MAC        ▼宛先MAC

MACアドレスを確認するには?

Windowsの場合

コマンド:

ipconfig /all

実行結果の例:

イーサネット アダプター ローカル エリア接続:

   接続固有の DNS サフィックス . . . . .: example.local
   説明 . . . . . . . . . . . . . . . .: Intel(R) Ethernet Connection
   物理アドレス. . . . . . . . . . . .: AA-BB-CC-DD-EE-FF

「物理アドレス」という項目にMACアドレスが表示されます。

Mac/Linuxの場合

コマンド:

ifconfig

出力例:

en0: flags=8863<UP,BROADCAST,SMART,RUNNING,SIMPLEX,MULTICAST> mtu 1500
    ether aa:bb:cc:dd:ee:ff 
    inet 192.168.1.20 netmask 0xffffff00 broadcast 192.168.1.255

または:

ip link show

出力例:

2: enp0s3: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500
    link/ether aa:bb:cc:dd:ee:ff brd ff:ff:ff:ff:ff:ff

CCNAではこう出る!

CCNAでは以下の点がよく出題されます:

  • MACアドレスのフォーマットとビット数(48ビット、16進数)
  • イーサネットの特徴(ブロードキャスト、フレーム、速度)
  • MACアドレスとIPアドレスの違い
  • MACアドレス確認コマンド

MACアドレスはスイッチングやARPの理解にも直結する重要な基礎ですので、しっかり押さえておきましょう!


次回は「スイッチングとブロードキャストドメイン」について解説します。ネットワーク構成の考え方がさらに深まります!