はじめに

ネットワークの世界では、IPアドレスだけでなく「サブネットマスク」や「CIDR」という概念もとても重要です。これらは、ネットワークを効率的に分けたり、通信範囲を制御したりするために使われます。今回は、CCNA試験にもよく出るサブネットの基本について、初心者にもわかりやすく解説します。


サブネットマスクとは?

IPアドレスの仲間

IPアドレスがネットワーク上の「住所」だとしたら、サブネットマスクはその「町の区切り線」のようなものです。

たとえば:

  • IPアドレス:192.168.1.10
  • サブネットマスク:255.255.255.0

この例では、「192.168.1」がネットワーク部、「.10」がホスト部を意味します。

サブネットマスクの役割

サブネットマスクは、IPアドレスのどの部分がネットワークを表し、どの部分がホスト(端末)を表すのかを決定します。

2進数で見るとより理解しやすくなります:

IPアドレス:       192.168.1.10  = 11000000.10101000.00000001.00001010
サブネットマスク: 255.255.255.0 = 11111111.11111111.11111111.00000000

上の例では、最初の24ビットがネットワーク部で、残り8ビットがホスト部を示しています。


CIDRとは?

CIDR(Classless Inter-Domain Routing)は、IPアドレスの表記方法のひとつで、スラッシュ(/)と数字でネットワークの範囲を表します。

たとえば:

  • 192.168.1.10/24

この「/24」は、先頭から24ビットがネットワーク部であることを意味します。これは、サブネットマスク「255.255.255.0」と同じ意味になります。

CIDRの利点

  • 柔軟なアドレス割り当てが可能
  • クラスA/B/Cの枠にとらわれない設計ができる

サブネット計算の考え方

例:/26のネットワークを考える

  • ネットワーク:192.168.1.0/26
  • サブネットマスク:255.255.255.192
  • ホスト部:6ビット(32-26) → 2^6 = 64個のアドレス
  • 使用可能なホスト数:64 – 2 = 62個
ネットワークアドレス:192.168.1.0
ブロードキャストアドレス:192.168.1.63
使用可能なホスト範囲:192.168.1.1 ~ 192.168.1.62

なぜ「-2」するの?

  • ネットワークアドレス(すべて0)と
  • ブロードキャストアドレス(すべて1)は
    ホストとして使えないためです。

図解で理解しよう

┌──────────────────────────────┐
│ サブネット:192.168.1.0/26                 │
├────────────┬────────────┤
│ 使用可能ホスト:192.168.1.1〜62 │ ブロードキャスト:192.168.1.63 │
└────────────┴────────────┘

CCNAではこう出る!

CCNAでは、CIDR表記やサブネット計算の基本的な問題がよく出題されます。以下を押さえておきましょう:

  • /24, /25, /26, /30などのCIDRと対応するホスト数
  • サブネットマスクとCIDRの相互変換
  • サブネットの計算問題(ネットワークアドレス・ブロードキャスト・範囲)

試験対策としては、実際に紙に書いてサブネット計算を練習するのが効果的です!


次回は「デフォルトゲートウェイとは?」について解説します。お楽しみに!