はじめに

「IPアドレスって聞いたことはあるけど、結局なに?」そんな疑問を持っているネットワーク初心者の方に向けて、今回はIPアドレスの基本と、IPv4とIPv6の違いをわかりやすく解説します。これはCCNA試験の基礎中の基礎。しっかり押さえておきましょう!


IPアドレスとは?

ネットワークの「住所」

IPアドレス(Internet Protocol Address)は、インターネットやLANで通信するために、各機器(PCやスマホ、ルーターなど)に割り振られる番号です。わかりやすく言えば「ネットワーク上の住所」です。

たとえば郵便を送るときには、住所が必要ですよね?それと同じで、ネット上でも相手のIPアドレスがわからなければデータを届けられません。

一意であることが重要

IPアドレスは一意(ユニーク)でなければいけません。同じ住所に違う家があったら混乱しますよね。それと同じで、同じネットワーク内に同じIPアドレスがあると通信トラブルになります。


IPv4とIPv6の違い

IPv4とは?

IPv4は、最も一般的に使われているIPアドレスの形式で、「192.168.1.1」のように4つの数字(0〜255)をドットで区切って表します。

  • 例: 192.0.2.1
  • ビット数: 32ビット
  • 最大数: 約43億個

しかし、この43億という数は、スマホやIoT機器の増加により足りなくなってきました。

IPv6とは?

IPv6は、IPv4の枯渇問題を解決するために作られた新しいIPアドレス形式です。「2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334」のように、16進数で表記されます。

  • 例: 2001:0db8::1
  • ビット数: 128ビット
  • 最大数: 340澗(がん)以上!

これにより、地球上のすべての砂粒にIPアドレスを振っても余ると言われています。

IPv4とIPv6の比較

比較項目IPv4IPv6
アドレス形式10進数(ドット区切り)16進数(コロン区切り)
ビット数32ビット128ビット
最大アドレス数約43億340澗以上
普及率高い(まだ主流)徐々に拡大中

日常の例えで理解しよう

IPアドレスは、まるで電話番号のようなものです。IPv4は市外局番+市内局番+加入者番号のような構造で、すでに枯渇しそう。IPv6はケタ数の多い新しい番号体系で、将来の拡張性がバツグンです。


コマンド例:自分のIPアドレスを確認する

実際に以下のコマンドを「コマンドプロンプト(Windows)」や「ターミナル(Mac/Linux)」に入力して実行してください。
以下のコマンドを使って、自分のデバイスに割り当てられているIPアドレスを調べることができます。

Windowsの場合

入力するコマンド:

ipconfig

実行結果の例:

Windows IP 構成

イーサネット アダプター ローカル エリア接続:
   IPv4 アドレス . . . . . . . . . . : 192.168.1.10
   サブネット マスク . . . . . . . . : 255.255.255.0
   デフォルト ゲートウェイ . . . . . : 192.168.1.1

Macの場合

入力するコマンド:

ifconfig

実行結果の例:

en0: flags=8863<UP,BROADCAST,SMART,RUNNING,SIMPLEX,MULTICAST> mtu 1500
   inet 192.168.1.20 netmask 0xffffff00 broadcast 192.168.1.255
   inet6 fe80::a00:27ff:fe4e:66a1%en0 prefixlen 64 scopeid 0x4

Linuxの場合

入力するコマンド:

ip addr show

実行結果の例:

2: ens33: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500
   inet 192.168.1.30/24 brd 192.168.1.255 scope global dynamic ens33
   inet6 fe80::20c:29ff:fe5b:aa7c/64 scope link

それぞれのOSで、ネットワークインターフェースの状態や、割り当てられているIPv4・IPv6アドレスなどの情報が表示されます。


図解でイメージしよう

以下のような図をイメージすると理解が深まります:

┌──────────────┐        ┌──────────────┐
│  PC (IP: 192.168.1.10) │─────▶│  ルーター (IP: 192.168.1.1) │
└──────────────┘        └──────────────┘

このように、各デバイスが一意のIPアドレスを持ち、ルーターを経由して外部ネットワークへ通信を行います。


CCNAではこう出る!

CCNA試験では、IPアドレスの役割やIPv4とIPv6の違いについて基礎知識を問う問題が頻出します。特に以下の点を押さえておきましょう。

  • IPv4のビット数と表記方法
  • IPv6の特徴と利点
  • IPv6アドレスの省略ルール(:: の使い方など)
  • IPアドレスが一意である理由

これらの理解は今後のサブネットやルーティングの学習にも直結するので、しっかりマスターしておくことが重要です!


以上、今回は「IPアドレスとは?とIPv4とIPv6の違い」について解説しました。次回は「サブネットマスクとCIDR」についてお届けします!