FortiGateのCLIコンフィグ取得方法|show系コマンドと出力の見方

FortiGateの運用において、現在の設定状態を確認することは最も基本的かつ重要な作業です。Cisco機器とは異なる独自のコマンド体系を持つため、初めて触れる方は戸惑うことも多いでしょう。本記事では、実務で必須となるshow系コマンドの使い方を体系的に解説します。

👷 現場での体験談

FortiGateの案件に初めて参画したとき、Ciscoの癖で「show running-config」と打って何も表示されず焦りました。FortiGateでは「show」と「get」を使い分ける独特のコマンド体系があるため、最初は戸惑います。

実際に夜間作業でコンフィグ確認が必要になったときも、どのコマンドを使えばいいか迷ってしまい、作業時間が延びた経験があります。事前に主要コマンドを把握しておくことが重要です。

FortiGateのコマンド体系|showとgetの違い

FortiGateには「show」と「get」という2種類のコマンドが存在します。Ciscoに慣れている方にとって、この違いは最初に理解すべき重要なポイントです。

コマンド用途出力形式
show設定内容の表示(コンフィグ確認)CLI形式(設定投入可能)
get動作状態の確認(ステータス表示)人間が読みやすい形式
diagnose詳細診断・トラブルシュートデバッグ情報形式

例えば、インターフェース設定を確認したい場合、「show system interface」で設定内容を、「get system interface physical」で現在のステータスを確認します。この使い分けが実務では非常に重要です。

基本的なshowコマンド一覧
全体設定の確認

最も基本的なのが、全体設定を確認するコマンドです。作業前後の確認や、バックアップ取得時に使用します。

# 全設定の表示(running-config相当)
show

# 完全な設定表示(デフォルト値含む)
show full-configuration

# 現在のコンフィグツリー位置の設定のみ
show | grep -f "interface"

実務では「show」コマンドの出力をテキストファイルに保存し、作業前後の差分を確認する作業が頻繁に発生します。SSHクライアントのログ機能を活用しましょう。

ネットワーク関連の設定確認

インターフェース設定やルーティング設定は、ネットワークトラブル時に最も確認頻度の高い項目です。

# インターフェース設定の確認
show system interface

# 特定インターフェースの設定確認
show system interface port1

# スタティックルートの確認
show router static

# ポリシールーティングの確認
show router policy
実務で頻繁に使うgetコマンド

トラブルシューティングやステータス確認では、getコマンドとdiagnoseコマンドが主役になります。現場で使用頻度の高いものを紹介します。

コマンド確認内容
get system statusシステム情報(バージョン、シリアル等)
get system interface physical物理インターフェースのステータス
get router info routing-table allルーティングテーブル全体
get system arpARPテーブル
get system performance statusCPU・メモリ使用率
実際の出力例とその見方

インターフェースステータスの確認例を見てみましょう。リンクの状態やIPアドレスの付与状況が一目で確認できます。

FG-100F # get system interface physical
== [ port1 ]
name: port1   mode: static    ip: 192.168.1.1 255.255.255.0   status: up    
speed: 1000Mbps (Duplex: full)
== [ port2 ]
name: port2   mode: static    ip: 10.0.0.1 255.255.255.0   status: down    
speed: n/a

この出力から、port1はリンクアップして1Gbpsで稼働中、port2はリンクダウン状態であることが即座に判断できます。speedが「n/a」の場合はケーブル未接続を意味します。

トラブルシュート時に使える確認コマンド
セッション情報の確認

通信ができない場合、まずセッションテーブルを確認します。diagnoseコマンドを使用します。

# セッション数の確認
diagnose sys session stat

# 特定IPアドレスのセッション確認
diagnose sys session filter src 192.168.1.100
diagnose sys session list

# セッションフィルタのクリア
diagnose sys session clear
ルーティング関連のトラブルシュート

ルーティングの問題を切り分ける際は、以下のコマンドを順番に実行していきます。

1
ルーティングテーブル確認

「get router info routing-table all」で宛先への経路が存在するか確認

2
ポリシーマッチ確認

「diagnose debug flow」でパケットがどのポリシーにマッチするか確認

3
NATテーブル確認

「diagnose sys session list」でNAT変換が正しく行われているか確認

実務で活用するコマンド使用頻度

図1: 現場でのコマンド使用頻度(私の経験値)

show / get system
95%
get router info
85%
diagnose sys session
70%
diagnose debug flow
40%
出力結果の保存と活用方法

設定変更作業では、作業前後のコンフィグを保存して差分を確認することが重要です。TeraTermやPuTTYのログ機能を使って自動保存する設定をしておきましょう。

# 作業前のコンフィグ保存コマンド
execute backup config tftp before_config.conf 192.168.1.10

# または手動でコピー(TeraTerm等でログ開始)
show
show full-configuration
⚠ 注意

「show full-configuration」は非常に長い出力になります。SSHセッションタイムアウトに注意し、必要に応じて「config system console」で「set output standard」を設定してページング機能を無効化してください。

主要確認項目とコマンドの対応表

確認項目推奨コマンド確認頻度
機器情報get system status初回接続時
インターフェース状態get system interface physical毎回
ルーティングget router info routing-table all通信不可時
セッション状態diagnose sys session listトラブル時
リソース状況get system performance status定期確認

図2: トラブル発生時の確認手順フロー

物理層確認
STEP1
ルーティング確認
STEP2
ポリシー確認
STEP3
セッション確認
STEP4
まとめ

FortiGateのCLI確認コマンドは、Ciscoとは異なる「show」「get」「diagnose」という3つの系統に分かれています。設定確認はshow、状態確認はget、詳細トラブルシュートはdiagnoseと使い分けることで、効率的な運用が可能になります。

  • showコマンドは設定内容の確認に使用し、コンフィグ形式で出力される
  • getコマンドは動作状態の確認に使用し、読みやすい形式で表示される
  • トラブル時はインターフェース→ルーティング→ポリシー→セッションの順で確認する