「ネットワークエンジニアになりたいけど、未経験だと無理なんじゃないか」。転職サイトを眺めながら、そう思ってブラウザを閉じた経験がある人は多いと思う。自分もそうだった。前職は全然IT関係ない仕事で、ルーターとスイッチの違いすら分かってなかった。
結論から言うと、未経験からネットワークエンジニアにはなれる。ただし、やり方を間違えると書類選考で全滅して「やっぱり無理か」と諦めるパターンにハマる。実際、自分も最初の転職活動では惨敗した。そこから戦略を変えて、最終的にネットワークエンジニアとしてキャリアをスタートできた。
この記事では、自分の実体験をベースに、未経験からネットワークエンジニアに転職するための具体的なステップを書く。「何から始めればいいのか分からない」という人に向けて、失敗パターンも含めて正直に書いた。
なれる。ただし入口は限られてる
ネットワークエンジニアは未経験からでも十分に目指せる職種。ただ、いきなりCiscoの設計案件をやらせてもらえるわけじゃない。未経験者には未経験者なりの「入口」がある。ここを理解せずに転職活動すると、100社応募して全落ちみたいなことになる。
未経験者が最初に就くポジションは、大きく分けて3パターン。どれもいわゆる「下流工程」からのスタートになるけど、ここで実務経験を積めばキャリアアップの道は開ける。
| 入口パターン | 仕事内容 | 年収目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| NOC/SOCオペレーター | ネットワーク監視・障害一次対応・ログ確認 | 280〜350万円 | シフト勤務が多い。実機に触れる機会あり |
| 研修付きSES | 1〜3ヶ月の社内研修後、客先に常駐して運用保守 | 250〜320万円 | 研修でCCNA取得を支援してくれる会社もある |
| キッティング・構築補助 | 機器の開梱・ラッキング・初期設定・ケーブリング | 260〜330万円 | 体力勝負だけど実機経験が積める |
「年収低くない?」と思うかもしれない。正直、最初は低い。でも2〜3年実務経験を積んでCCNPやAWS認定を取ると、500万〜600万円くらいは普通に狙える。自分の周りでも、NOCオペレーターから3年で構築エンジニアに上がって年収が200万近く上がった人がいる。
自分の場合、最初は研修付きSESの会社に入った。入社後2ヶ月間の研修でCCNAの勉強をして、その後データセンターの運用保守案件に配属された。最初の仕事は夜勤のネットワーク監視。Zabbixのアラートが鳴ったら手順書通りに対応するだけ。正直つまらなかったけど、その間にCiscoのCLIに慣れたし、showコマンドの意味が実感できるようになった。あの下積み期間がなかったら、今の仕事は絶対できてない。
3年で構築、5年で設計が現実的なライン
「未経験OK」の求人で入社しても、そこがゴールじゃない。むしろスタート地点。ネットワークエンジニアのキャリアは「監視→運用→構築→設計」と上流に上がっていくのが王道パターン。ここを知っておかないと、「監視だけやらされて全然スキルつかない」と不満を持つことになる。
| フェーズ | 目安期間 | 主な業務 | 必要な資格 |
|---|---|---|---|
| 監視・オペレーター | 入社〜1年 | アラート対応、ログ確認、手順書ベースの作業 | CCNA(入社前 or 入社後に取得) |
| 運用保守 | 1〜2年目 | 設定変更、障害対応、ファームウェア更新 | CCNA(必須) |
| 構築 | 2〜4年目 | パラメータシート作成、Config投入、テスト実施 | CCNP推奨 |
| 設計 | 4年目〜 | 要件定義、基本設計、詳細設計、ベンダー調整 | CCNP or 専門資格(AWS SAA等) |
図1: キャリアステージごとの年収レンジ
280〜350万
350〜450万
450〜600万
600〜800万
大事なのは、最初のポジションで腐らないこと。監視オペレーターの仕事は単調だけど、その間にCCNAを取って、showコマンドを叩いて実機の挙動を覚えて、先輩の構築作業を横で見て学ぶ。この1〜2年の積み重ねが、構築案件にアサインされるかどうかの分かれ道になる。
自分も最初は全部やらかした
未経験からネットワークエンジニアを目指す人の大半が、同じ失敗パターンにハマる。自分もご多分に漏れず全部踏んだ。今思えば当たり前なんだけど、当時は気づけなかった。
NTTデータとか富士通とか、名前を知ってる大手にとりあえず応募するパターン。気持ちは分かるけど、大手SIerの中途採用は基本的に「実務経験3年以上」が最低ライン。未経験で応募しても書類で落ちるだけ。時間の無駄になる。
「未経験OK」の求人でも、面接で「ネットワークの勉強は何かしてますか?」と聞かれる。ここで「まだ何も…」と答えた瞬間、面接官の目が死ぬ。未経験OKは「業務未経験OK」であって「何もやる気がない人OK」じゃない。最低限CCNA程度の知識があることを示せないと、「この人は本当にやりたいのか?」と思われて終わる。
リクナビNEXTやdodaで「ネットワークエンジニア 未経験」と検索して、出てきた求人に片っ端から応募する。これも非効率。未経験者向けの求人って、転職サイトだけだと見える範囲が限られるし、そもそも未経験者に強いエージェントを使ったほうが内定率が全然違う。エージェントは企業の内部事情を知ってるから、「この会社は未経験者をちゃんと育ててくれる」「この会社は研修がほぼなくて放置される」みたいな情報を持ってる。
「未経験OK」の求人すべてが良い会社とは限らない。中には研修が形だけで、入社初日からヘルプデスクに放り込まれるような会社もある。特に「完全未経験歓迎!月給35万〜」みたいな求人は要注意。条件が良すぎる場合は、なぜ未経験者にそこまで出せるのか理由を考えた方がいい。離職率が高くて常に人手不足なだけ、というケースがある。エージェント経由なら、こういう地雷企業を事前に避けられる。
CCNAは「本気度の証明」になる
未経験からネットワークエンジニアを目指すなら、まずCCNA(Cisco Certified Network Associate)を取ることを強くおすすめする。CCNAは、Ciscoが提供するネットワーク技術の入門〜中級レベルの資格。取得に必要な勉強時間は、完全未経験からだと200〜300時間が目安。仕事しながらでも3〜6ヶ月で取れる。
なぜCCNAが重要かというと、単純に面接での説得力が段違いになるから。未経験で何の資格もない人と、CCNAを持ってる人では、採用側の印象がまるで違う。CCNAを持ってるということは、「この人はネットワークの基礎を自分で勉強して、試験に合格できるだけの努力をした」という証拠になる。ぶっちゃけ、CCNAの知識が現場でそのまま使えるかというと微妙な部分もある。でも、転職活動においては最強の武器になる。
試験番号:200-301 CCNA。受験料:約42,900円(税込)。試験時間:120分。合格ライン:非公開(一般的には825/1000点前後と言われている)。出題範囲はネットワーク基礎、IPアドレッシング、ルーティング、スイッチング、セキュリティ、自動化など。Pearson VUEのテストセンターまたはオンラインで受験可能。
CCNAの勉強法は独学で十分。自分が実際に使った教材を2冊紹介しておく。
まずは定番の「CCNA完全合格テキスト&問題集」。これ1冊で試験範囲の全体像が掴める。初学者でも読みやすい構成で、自分も最初の1冊はこれだった。
もう1冊は「1週間でCCNAの基礎が学べる本」。名前の通り、まったくの初心者が最初に読むのに向いてる。ネットワークの基礎概念から丁寧に解説されてるから、いきなり分厚いテキストに挫折しそうな人はまずこっちから入ると良い。
あとはPacket Tracer(Ciscoの無料シミュレータ)で手を動かして練習する。テキストだけ読んでも受からない。自分はPacket Tracerで200時間くらいは手を動かした。
受験料が約43,000円と高いので、1回で受かりたいなら模擬試験を必ずやること。Ping-tの無料問題やCiscoの公式練習問題で80%以上取れるようになってから本番に臨むのがおすすめ。自分は1回目で合格できたけど、落ちた知人は「模擬試験をやらずに雰囲気で受けた」と言ってた。
エージェント選びを間違えると未経験転職は詰む
CCNAを取ったら、次は転職エージェントに登録する。ここで重要なのが、「どのエージェントに登録するか」。転職エージェントって100社以上あるんだけど、全部が未経験者に強いわけじゃない。むしろ、大手のエージェントは「経験者向け」の求人がメインで、未経験者は後回しにされがち。
自分が最初にやった失敗がまさにこれ。大手の転職エージェントに登録したら、担当者に「ネットワークエンジニア希望です。未経験です」と伝えた瞬間、明らかにテンションが下がった。紹介された求人もほとんどヘルプデスクかコールセンターばかり。ネットワークエンジニアの求人は1件も紹介されなかった。
で、そのあと知ったのが転職エージェントナビというサービス。これは転職エージェントそのものじゃなくて、「自分に合った転職エージェントを紹介してくれるサービス」。300人以上のエージェントの中から、自分の経歴・希望・状況に合ったエージェントをマッチングしてくれる。
| 比較項目 | 大手エージェント直接登録 | 転職エージェントナビ経由 |
|---|---|---|
| 未経験者への対応 | 後回しにされがち | 未経験に強いエージェントを紹介 |
| エージェントとの相性 | 担当者ガチャ | 事前にマッチングするからハズレが少ない |
| IT業界の専門知識 | 総合型だとIT特化じゃない担当もいる | IT・インフラ特化のエージェントが選べる |
| 料金 | 無料 | 無料 |
| エージェント変更 | 自分で別のエージェントを探す必要あり | 合わなければ別のエージェントを再紹介 |
未経験からネットワークエンジニアを目指す場合、「未経験者の転職支援実績が豊富なエージェント」に当たるかどうかで結果が大きく変わる。転職エージェントナビを使えば、最初からIT業界・未経験者に強いエージェントを紹介してもらえるから、大手に登録して門前払いされる無駄な時間を省ける。
登録は5分くらいで終わる。経歴と希望条件を入力するだけ。「未経験」「ネットワークエンジニア希望」と書けば、それに合ったエージェントを選んでくれる。もちろん完全無料。エージェントと合わなければ変更もできるから、リスクはゼロ。
CCNA取得→エージェント登録→面接対策の流れ
まずはCCNAのテキストでネットワークの基礎を学ぶ。IPアドレスのサブネット計算、OSI参照モデル、ルーティングとスイッチングの基本概念。この段階では試験に受かることより「ネットワークの全体像を掴む」ことが目的。通勤時間にテキストを読んで、休日にPacket Tracerで手を動かす。毎日1〜2時間やれば、2ヶ月で基礎は身につく。
基礎固めができたら、CCNA試験対策に集中する。Ping-tやCrammediaの模擬試験を使って、合格ラインを超えるまで繰り返す。自分の場合、模擬試験で安定して85%取れるようになってから本番を受けた。受験料が約43,000円と安くないから、確実に1回で受かりたい。ちなみに、CCNAに受かったこと自体がスキルの証明になるから、「勉強中です」より「CCNAを持ってます」の方が圧倒的に転職に有利。
CCNA取得後(もしくは勉強がある程度進んだ段階で)、転職エージェントナビに登録する。登録フォームで「未経験」「ネットワークエンジニア・インフラエンジニア希望」と記入すれば、IT未経験者の転職支援に強いエージェントを紹介してもらえる。ここでのポイントは、「CCNAを取得済み(or 勉強中)」であることをしっかり伝えること。エージェント側も「この人は本気だ」と判断してくれるから、紹介される求人の質が上がる。
未経験者の面接で聞かれることは大体決まってる。「なぜIT業界?」「なぜネットワークエンジニア?」「CCNAを取ったきっかけは?」「前職で身につけたスキルでITに活かせるものは?」。この4つは100%聞かれるから、事前に回答を準備しておくこと。エージェント経由なら、面接対策もやってくれる。模擬面接をしてくれるエージェントもいるから、活用しない手はない。
内定をもらってゴールじゃない。入社してからが本番。最初の1〜2年は下積みになるけど、その間にCCNPの勉強を始めたり、Linux(LPIC/LinuC)の資格を取ったりすると、次のキャリアアップが早くなる。ここで差がつく。入社して安心して勉強を止める人と、入社後も資格を取り続ける人では、3年後のポジションと年収が全然違う。
図2: 未経験→NE転職の成功率(準備状況別)
高い
中程度
低い
CCNA×エージェント活用が未経験転職の最短ルート
未経験からネットワークエンジニアへの転職は十分に可能。ただし「資格なし・準備なし」でいきなり応募しても撃沈する。まずCCNAを取得して本気度を証明し、転職エージェントナビで未経験者に強いエージェントを紹介してもらう。最初のポジションは監視やオペレーターからのスタートになるけど、2〜3年の実務経験を積めば構築・設計へのキャリアアップは現実的なライン。大事なのは「入口を間違えないこと」と「入社後も勉強を続けること」。
よくある質問(FAQ)
Q. 未経験でも30代からネットワークエンジニアになれる?
なれる。30代前半までなら未経験OKの求人は普通にある。30代後半になるとやや厳しくなるけど、CCNAを持っていて前職のマネジメント経験やコミュニケーション力をアピールできれば可能性はある。実際、自分が入社した会社にも32歳で未経験入社した人がいた。前職は飲食業。ただ、年齢が上がるほどスタートが遅れるのは事実だから、「やりたい」と思ったら早く動いた方がいい。
Q. CCNAを取らずに転職できる?
できなくはない。研修付きのSES企業なら「入社後にCCNAを取得させます」というスタンスのところもある。ただ、CCNAなしだと応募できる求人の数が激減するし、面接での説得力も弱い。「入社してから取ります」と「もう取りました」では、採用する側の安心感が全然違う。可能なら転職活動前にCCNAを取得することを強くおすすめする。
Q. ネットワークエンジニアとインフラエンジニアの違いは?
ネットワークエンジニアはインフラエンジニアの一種。インフラエンジニアの中にネットワーク、サーバー、クラウド、セキュリティなどの専門分野がある。未経験の求人では「インフラエンジニア」と書かれていることも多いけど、実態としてはネットワーク寄りかサーバー寄りかは会社・案件によって変わる。面接で「ネットワーク中心にやりたい」と伝えておくと、ネットワーク案件にアサインされやすくなる。
Q. 転職エージェントは何社くらい使うべき?
2〜3社が目安。多すぎると連絡のやり取りだけで疲弊する。転職エージェントナビを使えば、最初から自分に合ったエージェントを紹介してもらえるから、手当たり次第に登録する必要がない。紹介されたエージェントと相性が合わなければ、別のエージェントを再紹介してもらえる。




