「CCNAって独学で取れるの?」「どのくらい勉強すれば受かる?」——ネットワークエンジニアを目指す人なら、一度はこの疑問にぶつかるはず。結論から言うと、未経験からでも独学で合格できる。ただし、勉強法を間違えると普通に落ちる。受験料が4万円以上するから、一発で受かりたいところ。
この記事では、実際に未経験からCCNA(200-301)に独学で合格した僕(たけし)の勉強法を、使ったテキスト・勉強期間・1日のスケジュールまで全部公開する。正直、最初はめちゃくちゃ遠回りもしたので、その失敗談も含めて書いていく。
ネットワークエンジニアの登竜門、CCNA 200-301の概要
CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、Ciscoが認定するネットワーク系資格の中で最もメジャーなエントリーレベルの資格。2020年に試験が改定されて、現在は「200-301 CCNA」の1種類に統一されている。以前はRouting & SwitchingとかSecurityとか色々分かれてたけど、今は1本にまとまった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験番号 | 200-301 CCNA |
| 出題数 | 約100問前後(非公開) |
| 試験時間 | 120分 |
| 合格ライン | 約825点 / 1000点(非公開だが目安として) |
| 受験料 | 42,900円(税込)※2026年4月時点 |
| 有効期限 | 3年間(CEクレジットで更新可能) |
| 試験言語 | 日本語・英語 |
| 受験方法 | ピアソンVUEテストセンター or 自宅オンライン受験 |
受験料が約43,000円。正直高い。しかも落ちたらもう一回払う。だからこそ、ちゃんと準備してから受けないと財布にも精神的にもダメージがでかい。ちなみに僕は会社が受験料を出してくれるパターンだったけど、「落ちたら自腹」という暗黙のプレッシャーがあった。
CCNA 200-301の出題範囲は大きく6分野に分かれる。ネットワーク基礎(20%)、ネットワークアクセス(20%)、IP接続性(25%)、IPサービス(10%)、セキュリティ基礎(15%)、自動化とプログラマビリティ(10%)。特にIP接続性の配点が一番高いので、ルーティング(OSPF、スタティックルート)は絶対に落とせない。
未経験から独学で約3ヶ月、1日2〜3時間が目安
僕の場合、完全未経験の状態から約3ヶ月で合格した。1日の勉強時間は平日2時間、休日は3〜4時間。トータルで200時間くらい。ただ、これは「効率よくやれた場合」の話で、最初の2週間くらいは勉強法が定まらなくて迷走してた。その分のロスを入れると実質的には3ヶ月半くらい。
| レベル | 勉強期間の目安 | 総勉強時間 |
|---|---|---|
| 完全未経験(ITの知識ゼロ) | 4〜6ヶ月 | 300〜400時間 |
| IT基礎知識あり(ITパスポート程度) | 2〜3ヶ月 | 150〜250時間 |
| ネットワーク実務経験あり | 1〜2ヶ月 | 80〜150時間 |
よく「1ヶ月で受かりました」みたいな体験談を見かけるけど、大体は何かしらIT系のバックグラウンドがある人。完全未経験で1ヶ月は正直キツい。IPアドレスの計算とかサブネットマスクとか、概念自体を理解するのに時間がかかるから。焦って詰め込むよりも、毎日2時間をコツコツ積み上げる方が結果的に近道だった。
僕は当時、運用監視の仕事をしながらCCNAの勉強をしてた。夜勤明けの日は正直勉強する気力がなくて、Ping-tの問題を10問だけ解いて寝る、みたいな日もあった。でも「毎日ゼロにしない」っていうルールだけは守った。たった10問でも、やらないよりはマシ。3ヶ月続けたら、気づいたら合格レベルに達してた。根性論じゃなくて、習慣の問題。
図1: 1日の勉強スケジュール例(平日・仕事ありの場合)
45分
60分
15分
メインテキスト1冊+補助テキスト1冊の2冊体制が最強
CCNA関連の書籍は結構たくさん出てるけど、全部買う必要はない。むしろ買いすぎると「どの本から手をつけるか」で迷って時間が溶ける。僕がおすすめするのはメインテキスト1冊+補助テキスト1冊の2冊体制。これで十分合格できる。
メインで使ったのは「シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集 第2版」。通称「白本」。これ1冊で試験範囲を全部カバーしてて、各章末に練習問題も付いてる。ページ数はかなり分厚い(800ページ超え)けど、全部読む必要はない。得意な分野は練習問題だけやって、苦手な分野はテキストをしっかり読む。そういう使い方ができるのがこの本の良いところ。
正直、最初は分厚さにビビった。でも実際に読み始めると、図解が多くて思ったよりサクサク進む。章末問題は本番に近い形式で出題されるから、「自分が今どのくらいの理解度か」を定期的にチェックできる。
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もう1冊、サブとして使ったのが「CCNAの授業」。これは完全合格テキストに比べると内容はライトだけど、その分イラストや図解が豊富で、ネットワークの概念をざっくり掴むのに最適。特にOSI参照モデルとかTCP/IPの階層モデルとか、初学者が最初につまずくポイントをわかりやすく解説してくれてる。
使い方としては、完全合格テキストを読んでて「ここの説明、ちょっとピンとこないな」って部分があったら、CCNAの授業の該当箇所を開いて確認する。辞書的な使い方。最初の1週間はこっちをメインに読んで基礎固めをしてから、完全合格テキストに移行するのもアリ。
| 比較項目 | 完全合格テキスト&問題集 | CCNAの授業 |
|---|---|---|
| ポジション | メインテキスト(これ1冊で試験範囲全カバー) | 補助テキスト(概念理解・入門用) |
| 難易度 | 中〜高(網羅的・詳細) | 低〜中(やさしい解説) |
| ボリューム | 約800ページ超 | 約300ページ程度 |
| 練習問題 | 各章末+模擬試験つき | 少なめ |
| おすすめの使い方 | メインで通読→問題演習→苦手分野の復習 | 最初の1週間で基礎固め、分からない箇所の辞書代わり |
テキストを3冊も4冊も買うのはやめた方がいい。「あの本にも手を出してみようかな」って気持ちはわかるけど、結局どれも中途半端になって合格が遠のく。メイン1冊を3周する方が、3冊を1回ずつ読むより圧倒的に効果がある。これは僕の周りでCCNAに落ちた人の共通点でもある。
インプット→アウトプット→ラボの3段構えで攻略する
CCNA合格までの勉強を3つのフェーズに分けて進めた。最初からガリガリ問題を解くんじゃなくて、まずは基礎知識のインプットから。これをサボると、問題を見ても何を聞かれてるかすら分からない。
最初の1ヶ月はひたすらテキストを読む期間。完全合格テキストを最初から最後まで1周。ここで大事なのは「完璧に覚えようとしない」こと。1周目は全体像を掴むのが目的。「あー、こういう分野があるんだな」程度でOK。
僕はこの時期、通勤電車の中でCCNAの授業を読んで概念をざっくり掴んで、家に帰ってから完全合格テキストの該当箇所を読む、という流れでやってた。CCNAの授業は軽いから電車の中でも読みやすい。ちなみに、この段階ではノートはほぼ取らなかった。どうせ2周目以降で理解が深まるから、1周目でノートを取るのは時間の無駄。
テキストを1周読んだら、次は問題演習。ここが合否を分ける最大のポイント。僕が使ったのはPing-t(ピングティー)という無料のWeb問題集。CCNA対応の問題が大量にあって、分野別に解ける。しかも解説が丁寧。
やり方はシンプルで、Ping-tで問題を解く→間違えた問題の解説を読む→テキストの該当箇所を読み直す。この繰り返し。1日50〜80問くらい解いてた。最初は正答率が40%くらいしかなくてかなり凹んだけど、2週間もやれば60%、3週間で75%、1ヶ月で85%くらいまで上がった。
Ping-tには「銅→銀→金」のメダルシステムがある。全分野で金メダルを取ることを目標にすると、自然と苦手分野が潰せる。僕は「全分野金メダル」を達成してから試験に申し込んだ。この段階で模擬試験をやったら85%取れたから「いける」と確信できた。
テキスト読んで問題解くだけだと、実際のコマンド操作が身につかない。CCNAの試験にはシミュレーション問題(実際にCLIでコマンドを打つ問題)が出る。ここで落とすのはもったいないから、Cisco Packet Tracerで実際にコマンドを打つ練習をする。
Packet TracerはCiscoが無料で提供しているネットワークシミュレータ。Cisco Networking Academyに登録すれば誰でもダウンロードできる。僕は毎日15〜30分くらい、以下のような構成を作っては壊してを繰り返してた。
# 基本的なVLAN設定の練習例(Packet Tracer上で何度も繰り返す) Switch(config)# vlan 10 Switch(config-vlan)# name SALES Switch(config-vlan)# exit Switch(config)# vlan 20 Switch(config-vlan)# name ENGINEERING Switch(config-vlan)# exit Switch(config)# interface fa0/1 Switch(config-if)# switchport mode access Switch(config-if)# switchport access vlan 10 Switch(config-if)# exit Switch(config)# interface fa0/2 Switch(config-if)# switchport mode access Switch(config-if)# switchport access vlan 20
特に練習しておくべきコマンドは、VLAN設定、トランクポート設定、OSPF設定、スタティックルート設定、ACL設定の5つ。この5つをスラスラ打てるようになれば、シミュレーション問題はほぼ問題ない。
図2: 3ヶ月の勉強配分
テキスト中心
問題演習中心
ラボ+総復習
サブネット計算とOSPFは避けて通れない
CCNA受験者がよくつまずくポイントを先に知っておくと、勉強の優先度が立てやすい。僕自身もここで苦労したし、Twitterで「CCNA 難しい」って検索すると大体同じ分野で困ってる人が多い。
| つまずきやすい分野 | なぜ難しいか | 対策 |
|---|---|---|
| サブネット計算 | 2進数変換が面倒、VLSM問題で混乱する | 毎日5問ずつ手計算で練習。暗記するまで繰り返す |
| OSPF | ネイバー関係、エリア設計、LSA種別が複雑 | Packet Tracerで実際に動かして覚える |
| ACL(アクセスリスト) | 標準ACLと拡張ACLの違い、適用方向(in/out) | 「どこで何をフィルタしたいか」を先に考えてからコマンドを書く |
| STP(スパニングツリー) | ルートブリッジ選出、ポートの役割がややこしい | 図を描いてBPDUの流れを追う。手を動かすのが一番早い |
| 自動化とプログラマビリティ | REST API、JSON、SDNの概念が馴染みにくい | 配点10%なので深追いしすぎない。基本用語を押さえればOK |
サブネット計算は本当に「慣れ」。最初は1問解くのに5分くらいかかるけど、毎日やってれば1〜2週間で30秒以内に解けるようになる。僕は通勤中にスマホのメモ帳で2進数変換の練習をしてた。ぶっちゃけ、サブネット計算が速くなるだけで得点が10点くらい変わる印象。
「自動化とプログラマビリティ」は配点が10%しかないのに、ここに時間をかけすぎる人がたまにいる。もちろん捨てていい分野ではないけど、OSPFやサブネット計算(IP接続性25%)の方が配点が高い。限られた勉強時間の中で、配点の大きい分野から潰すのが鉄則。
CCNAはネットワークエンジニア転職の「足切りライン」
ここだけの話、CCNA持ってるだけで「すごいエンジニア」になれるわけじゃない。でも、未経験からネットワークエンジニアに転職するなら、CCNAは事実上の「足切りライン」になってる。求人票に「CCNA保持者歓迎」って書いてある案件は本当に多い。持ってないと書類で落とされることもある。
僕自身、CCNAを取ってから転職活動を始めたら、書類通過率が体感で2倍くらいになった。面接でも「CCNAは独学で取りました」って言うと、「自走力がありますね」って評価してもらえることが多かった。資格そのものの技術的価値というよりも、「この人は自分で勉強できる人なんだな」っていうシグナルになる。
ネットワークエンジニアへの転職を考えてるなら、転職エージェントに相談するのもアリ。特にIT系に強いエージェントだと、CCNA取得者向けの求人を紹介してくれる。
テストセンターで受験するなら30分前には到着すべき
試験はピアソンVUEのテストセンターか、自宅のオンライン受験を選べる。個人的にはテストセンターをおすすめする。自宅受験はWebカメラで部屋を映す必要があったり、机の上に何も置けなかったり、制約が多い。テストセンターなら受付を済ませてPCの前に座るだけ。
当日の流れはこんな感じ。受付で本人確認書類(運転免許証+クレジットカードなど2点)を提示→ロッカーに荷物を預ける→ホワイトボードとマーカーを渡される→試験開始。このホワイトボードが地味に重要で、サブネット計算を手書きでやるのに使う。
試験が始まったら、最初の5分でホワイトボードにサブネットの早見表を書き出すのがおすすめ。/24=256、/25=128、/26=64、/27=32、/28=16、/29=8、/30=4。これを先に書いておくと、サブネット計算の問題で毎回頭の中で変換しなくて済む。この技は合格者の多くがやってるやつ。
CCNAの試験はNDA(秘密保持契約)があるから、具体的な問題内容は公開できない。ネットに出回ってる「問題集」と称するものの中には、実際の試験問題をそのまま掲載してる違法なものもある。そういうのに頼ると最悪の場合、Ciscoから資格を取り消される。正規のテキストと問題集で勉強すること。
CCNAは正しい勉強法なら独学3ヶ月で合格できる
CCNAは未経験からでも独学で合格可能。勉強期間は約3ヶ月(200時間)が目安。テキストは「完全合格テキスト&問題集」をメインに、「CCNAの授業」をサブで使う2冊体制が効率的。勉強法は(1)テキスト1周(1ヶ月目)→(2)Ping-tで問題演習(2ヶ月目)→(3)Packet Tracerでラボ実習(3ヶ月目)の3ステップ。テキストを何冊も買うより、1冊を3周する方が合格に近づく。
CCNAの勉強は正直しんどいけど、取った後の景色は変わる。「この資格を持ってるエンジニアなんだ」っていう自信がつくし、転職市場での評価も確実に上がる。受験料は高いけど、一発合格すれば十分元が取れる投資だと思う。
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CCNAの勉強に関するよくある質問
Q. CCNAは完全未経験でも独学で取れますか?
取れる。僕自身がIT完全未経験から独学で合格してる。ただ、「独学で取れる=簡単」ではない。毎日2時間の勉強を3ヶ月続ける覚悟は必要。逆に言えば、ちゃんと勉強時間を確保すれば合格率はかなり高い。スクールに通わなくても、テキスト+Ping-t+Packet Tracerの組み合わせで十分合格レベルに達する。
Q. CCNAの受験料が高いのですが、割引はありますか?
残念ながら、個人受験の場合は基本的に割引はない。42,900円(税込)は固定。ただ、会社によっては受験料を負担してくれるところもあるから、まずは上司や人事に確認してみる価値はある。あと、Ciscoのプロモーションで稀にバウチャー(割引券)が出ることもあるけど、頻度は少ない。「割引を待つより早く受かって転職で元を取る」方が現実的。
Q. Ping-tだけで合格できますか?テキストは必要?
Ping-tだけでも合格した人はいる。でもおすすめはしない。Ping-tは「問題を解いて知識を定着させる」ツールであって、「ゼロから概念を理解する」ためのものじゃない。テキストで体系的にインプットしてから、Ping-tでアウトプットする。この順番が大事。最初からPing-tだけだと、「正解は覚えたけど理由がわからない」っていう状態になりやすくて、応用問題に対応できなくなる。
Q. CCNAとCCNPどっちを先に取るべき?
間違いなくCCNAから。CCNPはCCNAの上位資格で、前提知識としてCCNA相当の知識が必要。いきなりCCNPを受けても、基礎が固まってないから効率が悪い。まずCCNAで基礎を固めてから、実務経験を積みつつCCNPを目指すのが王道ルート。
Q. 試験は日本語で受けられますか?英語の方が有利?
日本語で受験できる。ただ正直、翻訳がちょっと不自然な問題もある。「この日本語、何を言ってるんだ?」って思ったら、画面右上の「English」ボタンで英語の原文を確認できる。英語が読めるなら併用するのがベスト。英語が苦手でも、専門用語は英語のまま覚えることが多いから、意外と英語原文の方がわかりやすいこともある。




