IT業界の中でも安定して需要が高い職種の一つが「ネットワークエンジニア」です。とはいえ、未経験からこの職種を目指す場合、「どんな勉強をすればいいの?」「CCNAって必要?」「実務で何をやるの?」と疑問が多いですよね。この記事では、未経験者がネットワークエンジニアとしてキャリアをスタートさせるためのステップを、実務経験に基づいて丁寧に解説します。
ネットワークエンジニアとは?業務内容を理解しよう
ネットワークエンジニアとは、企業や組織の通信インフラを設計・構築・運用・保守する専門職です。具体的には、以下のような業務を担当します。
- ルータやスイッチ(Cisco製など)の設定・管理
- VPNやファイアウォール(例:FortiGate)の設定
- ネットワーク障害のトラブルシューティング
- ネットワーク構成図の作成・ドキュメント化
ネットワークエンジニアの仕事は、システムの「血流」を守るような役割を担います。企業のインターネット接続や社内通信を止めないことが重要であり、責任とやりがいのある職種です。
未経験からネットワークエンジニアになるための3ステップ
ステップ1:ネットワークの基礎を理解する
まずは、ネットワークの基本概念(IPアドレス、サブネット、ルーティング、スイッチングなど)を理解しましょう。これらはCCNA(Cisco Certified Network Associate)試験の範囲と重なります。
初心者向けには、Cisco公式教材や日本語解説書『徹底攻略CCNA問題集』などを使うのがおすすめです。YouTubeやUdemyなどのオンライン講座も活用できます。
ステップ2:CCNA資格を取得する
未経験からネットワークエンジニアを目指す上で、最初の目標は「CCNA」取得です。CCNAはCisco社が提供する世界的に認知されたネットワーク資格で、企業の求人要件でもよく見られます。
CCNAの学習を通じて、「Ciscoルータ設定」や「スイッチ構築」の基礎を身につけることができます。コマンドラインで設定を行うためのツールとしては、Tera Termが定番です。
また、実機がなくてもGNS3シミュレータやPacket Tracerを使うことで、仮想環境でルータ設定の練習ができます。GNS3は実機IOSを使えるため、より実践的なシミュレーションが可能です。
ステップ3:実務スキルを習得する
資格を取得した後は、実際の業務で必要なスキルを磨いていきましょう。以下のスキルは特に重要です。
- トラブルシューティング力:Wiresharkを使ってパケット解析を行い、通信異常を特定する力
- 設定力:Cisco IOSコマンドを理解し、ルータ・スイッチを自在に設定できる力
- ドキュメンテーション力:ネットワーク構成図やセキュリティポリシーの整理
おすすめの学習ツールとソフトウェア
ネットワークエンジニアを目指すなら、次のツールをぜひ習得しておきましょう。
- Tera Term: Cisco機器へのコンソール接続用ターミナルソフト。基本的な「Tera Term 使い方」を覚えておくと便利。
- GNS3 シミュレータ: Ciscoルータやスイッチを仮想的に構築できる学習ツール。
- Wireshark: 通信パケットの内容を可視化し、トラブル解析を行うための無料ツール。
- SolarWinds: ネットワーク監視ツールとして有名。実務でネットワーク監視を自動化したいときに役立ちます。
これらのツールを使いこなすことで、CCNA学習の効率が上がるだけでなく、現場での即戦力スキルにも繋がります。
未経験からの転職活動のポイント
CCNAを取得したら、次は実務に挑戦しましょう。未経験者が採用されやすい職場には以下のような特徴があります。
- 大手SIerや通信会社の運用センター
- ネットワーク監視オペレーター(24時間監視業務)
- ヘルプデスクやサポートエンジニア(ネットワーク系)
最初は「運用・保守」ポジションからスタートし、経験を積みながら「設計・構築」フェーズへステップアップしていくのが王道ルートです。
キャリアアップの道:CCNP・セキュリティ・クラウドへ
ネットワークエンジニアとして1〜2年の経験を積んだら、次は「CCNP」や「FortiGate認定資格(NSE)」など上位資格の取得を目指しましょう。また、AWSやAzureなどクラウドネットワークの知識を習得することで、インフラエンジニアとしての市場価値も高まります。
今後はオンプレミスとクラウドを組み合わせた「ハイブリッドネットワーク」が主流となるため、CiscoやFortiGateに加え、クラウドネットワークのスキルも重要です。
まとめ:未経験でも一歩ずつ確実に成長できる
未経験からネットワークエンジニアを目指す道は決して楽ではありません。しかし、CCNA資格を取得し、GNS3シミュレータやTera Termなどのツールを活用しながら実践的なスキルを積み重ねれば、確実にキャリアを築けます。
まずは「基礎理解 → 資格取得 → 実務経験」の順にステップを踏み、最終的には設計・構築エンジニアとして活躍できることを目指しましょう。
一歩を踏み出す勇気が、あなたのエンジニア人生を変えます。