「ネットワークエンジニアは将来なくなるのでは?」「クラウド化が進んで仕事が減るのでは?」という疑問を持つ方は少なくありません。確かに、IT業界は変化が早く、ネットワーク分野も例外ではありません。しかし結論から言えば、ネットワークエンジニアは今後も必要とされ続ける職種です。本記事では、その理由と将来性、今後のキャリアアップ戦略について詳しく解説します。
1. ネットワークの重要性はクラウド時代でも変わらない
クラウド(AWS、Azure、GCPなど)の普及により、オンプレミスの機器設置や運用は減少傾向にありますが、クラウド環境においてもネットワーク構成は必須です。
- VPC(仮想プライベートクラウド)の設計
- VPNやDirect Connectなどの接続設計
- セキュリティグループやACLの設計
つまり、クラウドでもネットワークエンジニアの知識は不可欠です。違いは「物理」から「論理」へと設計対象が変わった点にあります。
2. セキュリティ需要の増加でネットワーク知識が活きる
サイバー攻撃が高度化する中で、ネットワークレベルでのセキュリティ対策が重視されています。以下のようなスキルは将来性の高い分野です:
- ファイアウォール(FortiGate、Palo Altoなど)の設定
- VPNやゼロトラストアーキテクチャの設計
- インシデントレスポンスにおけるネットワーク分析(Wiresharkなど)
セキュリティエンジニアとの連携や役割の統合が進んでおり、ネットワークスキルは今後ますます価値が高まります。
3. 自動化・スクリプト化への対応が鍵
近年、インフラの構築や運用においても自動化が進んでいます。特に以下のような技術に対応できるエンジニアは重宝されます:
- AnsibleやTerraformを使ったネットワーク構成のコード化(IaC)
- PythonやShellによるログ収集・監視の自動化
- APIを使ったネットワーク機器の制御
ネットワークエンジニアであっても、「手動設定の時代」から「自動化・再現性の時代」へとシフトしていく必要があります。
4. ネットワークエンジニアからのキャリアパスは多様
ネットワークの知識は多くのIT職種の基盤となるため、将来的には以下のようなキャリアにも進むことが可能です:
- クラウドエンジニア(AWSネットワーク構成が得意な人材)
- セキュリティエンジニア(ネットワーク防御・監視の専門家)
- SRE(Site Reliability Engineer)として信頼性の設計に関与
- プリセールスやコンサルタントとして提案活動に従事
土台としてネットワークを理解しているエンジニアは、他分野への応用力も高く、将来の選択肢が広がります。
5. 将来性を高めるために習得すべきスキル
今後も市場価値の高いネットワークエンジニアであるためには、以下のスキル習得が有効です:
- クラウドネットワーク構成(VPC、Transit Gatewayなど)
- FortiGateやPalo Altoでのセキュリティポリシー設計
- GNS3やPacket Tracerを使った仮想検証スキル
- AnsibleやTerraformによるネットワーク自動化
- CCNP、AWS認定などの資格取得
まとめ:ネットワークエンジニアの将来は進化と共に明るい
ネットワークエンジニアという職種は、技術の進化と共にその形を変えながらも、今後も確実に必要とされ続けます。クラウド・セキュリティ・自動化といった新しい潮流に柔軟に対応することで、高い市場価値を保ち続けることが可能です。
「なくなる職種」ではなく「進化が求められる職種」と捉え、将来を見据えてスキルアップしていきましょう。