ネットワークエンジニアとは、企業や組織のITインフラを支える通信ネットワークを設計・構築・運用・保守する技術職です。本記事では、ネットワークエンジニアの具体的な仕事の内容を、初心者にもわかりやすく紹介します。
1. ネットワークの設計業務
設計業務は、システム要件に基づいて最適なネットワーク構成を計画するフェーズです。具体的な作業には:
- 要件定義(通信要件、セキュリティ要件、冗長性など)
- ネットワーク構成図の作成(L2/L3設計)
- IPアドレス設計やルーティング設計
- ファイアウォールやVPNの構成設計
設計段階では、セキュリティポリシーや将来的な拡張性も考慮されます。
2. 機器の構築・設定
設計内容に基づいて、実際にネットワーク機器を設定・導入する作業です。主な内容は以下の通りです:
- CiscoやJuniper、FortiGateなどのルータ・スイッチ・ファイアウォールの設定
- VLAN、ルーティング、NAT、ACLなどの設定
- 接続テスト、通信確認(ping, traceroute, etc.)
物理的なケーブリング作業や、現場での機器設置も含まれる場合があります。
3. 運用・監視業務
構築したネットワークが安定して稼働し続けるように監視・管理するのが運用業務です。以下のような作業が行われます:
- 監視ツール(Zabbix、SolarWinds、PRTG等)による死活監視
- ネットワークトラフィックの分析と帯域管理
- 障害検知時の一次対応とログ収集
定期的なログの確認やパフォーマンスチューニングも業務に含まれます。
4. 障害対応・トラブルシューティング
ネットワーク障害や通信トラブルが発生した際には、迅速な対応が求められます。対応内容は次の通りです:
- 障害発生箇所の特定(ping、traceroute、ログ解析など)
- 応急処置と恒久対策の立案
- ベンダーとの連携・機器交換対応
- 障害報告書の作成と原因分析
トラブル対応力は、ネットワークエンジニアとしての信頼を左右する重要なスキルです。
5. セキュリティ対応
サイバー攻撃や情報漏洩リスクに対処するため、セキュリティ設定も重要な業務の一部です。以下の対応が求められます:
- ファイアウォールポリシーの管理
- VPNの運用とアクセス制御
- IPS/IDSの導入とログ監視
セキュリティインシデントの発生時には、対応の迅速さと正確さが問われます。
6. ドキュメント作成・改善提案
ネットワークエンジニアには、構成や作業内容を文書化するスキルも求められます。代表的な作業は:
- ネットワーク構成図・設定手順書の作成
- 障害対応報告書・改善提案書の作成
- ナレッジ共有のための社内Wiki更新
ドキュメントは運用引き継ぎや後続対応の品質に直結する重要な要素です。
まとめ:ネットワークエンジニアの仕事は多岐にわたる
ネットワークエンジニアの仕事は、単に機器をつなぐだけではありません。設計から構築、運用、障害対応、セキュリティ、ドキュメント作成まで、幅広い業務を担います。
このような多様な仕事を通じて、技術力と実務力の両方が求められますが、その分キャリアアップの幅も広がる職種です。未経験者でも、段階的にスキルを身につけることで十分に活躍できる分野といえるでしょう。