ネットワークエンジニアは、ITインフラの中核を担う専門職です。サーバやクラウドと連携しながら、企業や組織の通信環境を構築・維持・最適化する役割を担っています。この記事では、ネットワークエンジニアとして活躍するために必要なスキルや、キャリアアップに役立つ知識を実務目線で紹介します。
1. ネットワークの基礎知識
まず最初に習得すべきなのが、ネットワークの基本的な概念と用語です。以下のような内容を理解していることが前提になります：
- OSI参照モデル（L2〜L7）の構造
- IPアドレス・サブネット・CIDR
- ルーティングとスイッチングの違い
- DHCP、DNS、NATなどの基本プロトコル
これらはCCNAなどの基礎資格でよく問われる知識であり、実務でも頻繁に登場します。
2. Cisco製品の操作スキル
企業の多くではCisco製ルータやスイッチが使われており、その操作スキルは必須です。代表的な技術として：
- ルータ・スイッチの基本設定（インターフェース、VLAN、ルーティング）
- ACL（アクセス制御リスト）による通信制御
- コマンドラインインターフェース（CLI）の操作
キーワード例：「Cisco ルータ 設定」「Cisco CLI 入門」
3. セキュリティとファイアウォールの理解
ネットワークセキュリティの基礎知識も重要です。以下のスキルは現場で重宝されます：
- FortiGate や Palo Alto などのファイアウォール設定
- IPsec VPN、SSL VPNの構築
- セキュリティポリシーの設計と運用
関連キーワード：「FortiGate VPN」「セキュリティポリシー 設計」
4. トラブルシューティング能力
ネットワーク障害の原因を素早く特定し、復旧する力は非常に重要です。以下のようなツールや技術に精通しておくとよいでしょう：
- ping, traceroute, netstat, ipconfig などの基本コマンド
- Wiresharkによるパケットキャプチャと分析
- ログ解析と監視ツールの活用（Zabbix, PRTGなど）
関連キーワード：「Wireshark 使い方」「ネットワーク監視ツール 比較」
5. シミュレーション・検証スキル
構成変更やトラブル時には、事前検証が欠かせません。以下のような環境構築スキルも重視されます：
- GNS3やPacket Tracerを使った仮想ネットワーク検証
- Linuxベースの検証環境構築
関連キーワード：「GNS3 シミュレータ」「Packet Tracer 使い方」
6. ドキュメント作成・報告スキル
技術だけでなく、設計書や手順書、障害報告書などを分かりやすくまとめる力も求められます。情報共有や引き継ぎの際に、ドキュメント力が高いとチーム内でも重宝されます。
- ネットワーク構成図の作成（Visio、Draw.io など）
- 障害対応手順書や設定手順の整理
関連キーワード：「ネットワーク構成図」「障害対応 記録」
7. クラウド・仮想化への対応力
クラウド時代の今、ネットワークエンジニアにもクラウドスキルが求められます。以下の分野は注目されています：
- AWS、Azure などのクラウドネットワーク構成
- 仮想ルータや仮想スイッチ（vSwitch）の知識
- インフラ構成管理ツール（Terraformなど）との連携
まとめ：ネットワークエンジニアに必要なスキルは多岐にわたる
ネットワークエンジニアとして活躍するには、基礎的なプロトコル理解から、セキュリティ・クラウド・トラブル対応・ドキュメント作成まで、幅広いスキルが求められます。
一度にすべてを習得するのは難しいですが、まずは「Cisco機器の操作」「ネットワークの基本知識」「トラブル対応」の3本柱から着実にステップアップしていきましょう。
これらのスキルは現場での実践を通して磨かれていきます。GNS3などのシミュレータを使って、日々の学習を積み重ねることが将来のキャリアに繋がります。
