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はじめに
ネットワークで異なるセグメント同士をつなぐ「ルーター」は、まさに“道案内役”のような存在です。今回はルーターの役割と、ルーティングの基本概念について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
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ルーターとは?
ネットワークの交通整理役
ルーター(Router)は、異なるネットワーク同士を中継して通信を可能にする機器です。例えばVLAN 10のネットワークとVLAN 20のネットワークを接続する場合に使います。
- レイヤ3(ネットワーク層)で動作
- IPアドレスを使って通信先を判断
- 最適な経路(ルート)を選んでパケットを転送
図でイメージしよう
[PC1:192.168.1.10] ─ [Router] ─ [PC2:192.168.2.10]
VLAN 10 VLAN 20
このように、ルーターがあることで異なるネットワーク間で通信できます。
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ルーティングとは?
ルート(経路)の選択
ルーティングとは、「どこにどうやってデータを送るかを決める仕組み」です。ルーターはルーティングテーブルと呼ばれる表を持っており、それに従ってパケットを送ります。
- 宛先IPをもとにルーティングテーブルを検索
- 一致するルートがあれば、そのインターフェースから転送
ルーティングテーブルの確認
show ip route
出力例:
C 192.168.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0/0
C 192.168.2.0/24 is directly connected, FastEthernet0/1
C
は「Connected(直結)」の意味。ルーターが自分で認識しているネットワークを示します。
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ルーターの基本設定例
interface FastEthernet0/0
ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
no shutdown
!
interface FastEthernet0/1
ip address 192.168.2.1 255.255.255.0
no shutdown
この設定で、ルーターの2つのインターフェースにそれぞれのネットワークアドレスを割り当てています。
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CCNAではこう出る!
CCNA試験では、以下の点がよく問われます:
- ルーターの役割(異なるネットワークの接続)
- ルーティングテーブルの読み方と
show ip route
コマンド - 基本的なルーターのIP設定方法
ルーティングはスタティックやダイナミックなどさらに発展しますが、まずは基礎をしっかり押さえておきましょう!
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おわりに
今回は「ルーターとルーティングの基礎」について解説しました。次回は「スタティックルートとデフォルトルート」について詳しく見ていきます。