⸻
目次
はじめに
スイッチを複数接続したネットワークでは、冗長構成によりループが発生しやすくなります。そのループを防ぐために使われる技術が「スパニングツリープロトコル(STP)」です。今回は、ネットワークループとは何か、そしてSTPの仕組みについて初心者にもわかりやすく解説します。
⸻
ネットワークループとは?
ループの発生とその影響
スイッチ同士を冗長構成で接続すると、意図せずフレームがぐるぐる回る「ループ」が発生する可能性があります。これが発生すると:
- ブロードキャストストーム(通信が飽和)
- MACアドレステーブルの不安定化
- 通信不能やネットワーク全体のダウン
図でイメージしよう
[SW1] ─── [SW2]
│ │
[SW3]─────┘ ← ループ発生
このような構成で、フレームが無限に回り続けるのがループの怖さです。
⸻
STP(スパニングツリープロトコル)とは?
ループを防ぐプロトコル
STPは、ネットワーク上のループを自動的に検出し、一部のポートをブロック状態にしてループを論理的に遮断するプロトコルです。IEEE802.1Dとして標準化されています。
STPの基本動作
- ルートブリッジを選出(最も優先度の高いスイッチ)
- 各スイッチがルートまでの最短経路を決定
- 不要な経路にあるポートを「ブロッキング」状態に
状態の遷移
STPでは、ポートが以下の状態を経て安定します:
- Blocking
- Listening
- Learning
- Forwarding
⸻
Ciscoコマンド例(STPの確認)
show spanning-tree
出力例:
VLAN0001
Spanning tree enabled protocol ieee
Root ID Priority 32769
Address 0012.3456.789a
Cost 19
Port 1 (FastEthernet0/1)
このコマンドで、現在のルートブリッジや各ポートのSTP状態を確認できます。
⸻
CCNAではこう出る!
CCNA試験では以下の点がよく出題されます:
- STPの目的(ループ防止)と仕組み
- ルートブリッジの選出基準(Bridge ID)
- ポートの状態遷移(Blocking → Listening → Learning → Forwarding)
- STP確認コマンドの使い方(show spanning-tree)
ネットワークの信頼性を保つための基本知識なので、必ず理解しておきましょう!
⸻
おわりに
今回は「スパニングツリープロトコル(STP)とループ防止」について解説しました。次回は「ルーターとルーティングの基礎」に進みます。ネットワークの道案内役であるルーターの役割を学びましょう!