はじめに

ルーターが正しくパケットを転送するには、行き先の「道」を知っておく必要があります。そのルート情報を手動で指定する方法が「スタティックルート」、未知の宛先に使われるのが「デフォルトルート」です。今回は、これらの違いと設定方法をわかりやすく解説します。

スタティックルートとは?

明示的な経路指定

スタティックルート(静的ルート)とは、管理者が手動でルーティングテーブルに追加する経路です。小規模なネットワークや、経路が変わらない安定した構成でよく使われます。

設定例

ip route 192.168.3.0 255.255.255.0 192.168.1.2

このコマンドは、「192.168.3.0/24のネットワークへ行きたい場合は、192.168.1.2を経由せよ」という意味です。

図でイメージしよう

[PC1] ─ [Router1] ─ [Router2] ─ [192.168.3.0/24]
            ↑
       スタティックルートで経路指定

デフォルトルートとは?

未知の宛先への経路

デフォルトルートとは、ルーティングテーブルに載っていない宛先に対して使う“最後の手段”のルートです。インターネット接続などで頻繁に使われます。

設定例

ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.1.1

このコマンドは、「どこ宛か分からないパケットは、とりあえず192.168.1.1へ送れ」という意味になります。

デフォルトゲートウェイとの違い

  • デフォルトルート: ルーターで使うルーティングの設定
  • デフォルトゲートウェイ: PCやスイッチで使う“出口”の設定

show ip routeで確認

show ip route

出力例:

S    192.168.3.0/24 [1/0] via 192.168.1.2
S*   0.0.0.0/0 [1/0] via 192.168.1.1
  • S はスタティックルート
  • S* はデフォルトルート

CCNAではこう出る!

CCNA試験では、以下の点がよく問われます:

  • スタティックルートとデフォルトルートの違い
  • ip routeコマンドの書き方と意味
  • ルーティングテーブルの読み方

ルーティングの基礎を理解するためにも、実際に手で設定してみることが大切です!

おわりに

今回は「スタティックルートとデフォルトルート」について解説しました。次回は「ダイナミックルーティングとは?」をテーマに、RIP・OSPF・EIGRPなど自動経路制御の仕組みを紹介します!