はじめに

LANスイッチがネットワークの中でどんな役割をしているか知っていますか?今回は、「スイッチング」と「ブロードキャストドメイン」という2つの重要な概念について解説します。ネットワークの効率や設計に関わる内容で、CCNAでも頻出のトピックです。

スイッチングとは?

LANスイッチの役割

スイッチ(Switch)は、複数のデバイスをネットワークでつなぎ、MACアドレスを使って通信先を判断するネットワーク機器です。

通信の仕組み

  1. スイッチは接続された端末のMACアドレスを学習
  2. フレームを受信すると、宛先のMACアドレスに応じて転送先ポートを決定
  3. 宛先がわからなければ、全ポートにブロードキャスト(フラッディング)

これにより、無駄な通信を減らし、ネットワーク全体の効率が向上します。

図で理解しよう

┌────┐     ┌──────────┐     ┌────┐
│ PC1 │────▶│  スイッチ  │────▶│ PC2 │
└────┘     └──────────┘     └────┘
            ▲ MACアドレス学習&転送

ブロードキャストドメインとは?

ブロードキャストとは

ブロードキャストとは、同じネットワーク内のすべての機器に対して送信する通信です。たとえばARPリクエストはブロードキャストで送られます。

ブロードキャストドメインとは

「ブロードキャストが届く範囲」をブロードキャストドメインと呼びます。

  • スイッチはブロードキャストをそのまま通す → 同じドメイン内に広がる
  • ルーターはブロードキャストを止める → ドメインを分ける

図で理解しよう

[PC1] ─┬─ [PC2] ─┬─ [PC3]
       │         │
     ┌────────────┐
     │   スイッチ(同一ドメイン)
     └────────────┘

すべての端末が1つのブロードキャストドメインに属しており、1台がブロードキャストを送ると他すべてに届きます。

スイッチングとブロードキャストドメインの関係

スイッチは通信を最適化する一方で、ブロードキャストドメインを分割することはできません。ブロードキャストの制御が必要な場合は、VLANやルーターを使います。

CCNAではこう出る!

CCNA試験では、以下の点がよく出題されます:

  • スイッチのMACアドレス学習と転送動作
  • ブロードキャストとその影響
  • スイッチとルーターの違い(ブロードキャストを通すかどうか)
  • ブロードキャストドメインを分割する方法(VLANやルーター)

ネットワーク構成の設計問題にも関わるので、しっかり理解しておきましょう!

おわりに

次回は「スパニングツリー」について解説します。