この記事では、ネットワークエンジニア歴5年の私が、これからネットワークエンジニアを目指す方に向けて、現場でのリアルな実体験を紹介していきます。私は現在、主に開発や設計を担当しており、そこで感じたことを正直に書いています。


日々の勉強が必要

ネットワークの世界はとにかく変化が激しいです。技術の進化スピードが早く、昨日までの常識があっさり覆ることも珍しくありません。そのため、常に勉強を続けていないとあっという間に置いていかれます。

とくにネットワークの基礎を学び始めたばかりの頃は、横文字や略語ばかりで、なにを言っているのかまったく分からないという状態になりやすいです。私も最初は「OSPF?BGP?なにそれ?」という感じで、頭がパンクしかけました。

ただ、その分野に興味があれば学ぶことが苦ではなくなってきます。ネットワークという分野が「好き」と思えれば、それはまさに天職だと感じるはずです。

これからネットワークを学ぶ人には、まず基礎をしっかり固めるために定番の参考書から始めるのが一番です。以下の本は、多くのエンジニアが通る道であり、私自身も最初に読んで理解が深まりました。

ネットワーク初心者にとっての入門書として定番です。

【楽天で見る】
商品画像
マスタリングTCP/IP 入門編 第6版
価格:2,420円(税込)

夜勤や休日出勤は避けられない

ネットワークエンジニアには夜勤や休日出勤がつきものです。というのも、ネットワークの設定変更やメンテナンスを行うと、どうしても通信断のリスクが伴います。そのため、通常業務が行われている日中に作業するわけにはいきません。

お客様が業務をしていない時間、つまり深夜帯や休日に作業するのが基本になります。銀行や病院、工場などのクリティカルなシステムを扱う場合は特にその傾向が強くなります。ただし、夜勤にはしっかり手当がつきますので、収入面でのメリットもあります。

夜勤明けにコンビニで買う弁当は、不思議といつもより美味しく感じます。それくらい、独特な疲れと達成感があります。


現場作業も意外と多い

エンジニアと聞くと、パソコンに向かってデスクで作業しているイメージがあるかもしれません。ですがネットワークエンジニアは、他の職種と比べて現場に出向く機会がかなり多い職種です。

たとえば、データセンターに行ってルーターやスイッチなどの機器をラックに設置したり、配線作業を行ったりします。また、冗長構成の動作確認のために、実際にケーブルを抜いて通信の切り替えテストをすることもあります。そうした物理作業がある以上、完全在宅で完結する仕事ではありません。

その分、全国各地の現場に行く機会があり、旅好きな方には楽しみの一つにもなるでしょう。


設定以外の仕事も多い

ネットワークエンジニアといえば「設定作業」がメインだと思われがちですが、実はそうでもありません。お客様との会議や要件ヒアリング、設計資料の作成、手順書のレビューなど、ドキュメント作業がかなり多いです。

特に手順書の作成にはExcelを使うことが多く、場合によってはVBAを使ってコマンドを自動生成するなど、ちょっとした開発のようなことも行います。Excelが得意なエンジニアは、こういった場面で非常に重宝されます。

最近ではAIを使ってドキュメントを整える人も増えていますが、それでも「伝わる資料を作る」力は今後も確実に求められます。


コミュニケーション能力も必要

「人と話すのが苦手だからエンジニアになろう」と思っている方もいるかもしれません。ですが、ネットワークエンジニアに限らず、インフラ系エンジニアにはコミュニケーション能力が不可欠です。

お客様から要件を聞き出す、手順をレビューする、トラブル発生時に状況を正確に伝える――すべてにおいて「言葉のやりとり」が発生します。むしろ、「技術を相手に分かりやすく説明する力」こそが、現場では強く求められています。

私も人と話すのが得意なほうではありませんでしたが、場数を踏むことで少しずつ慣れてきました。最初から完璧にこなす必要はありませんが、「話す努力」は絶対に必要です。


まとめ

ネットワークエンジニアは、地味でコツコツした仕事が多く、想像以上に体力も頭も使います。しかし、自分が設計したネットワークが無事に稼働したときの達成感は格別です。社会のインフラを裏で支える縁の下の力持ち的な存在、それがネットワークエンジニアです。

「好き」があれば続けられるし、「興味」があれば成長も早いと思います。目指している方の参考になれば幸いです。