
今、AIの中でも特に注目されているのが「ChatGPT」です。
自然な会話形式で質問に答えたり、文章を生成したりと、業務のあらゆる場面で活用されています。
ネットワークエンジニアの世界でも、ChatGPTは単なる便利ツールに留まらず、業務の効率化・知識補完・トラブル対応の支援など、さまざまな面で実用的に活用されています。
とくに技術的な英語文書を扱う場面や、設定コマンドの意味を確認したいときなど、専門的なサポート役として非常に心強い存在となっています。
ログ解析・トラブル対応にChatGPTが活躍する場面
ネットワークエンジニアが日常的に行う作業の1つに、「ログ確認」があります。
例えば障害発生時に show log
や debug
コマンドを使って調査しますが、出力される内容は英語ばかりで、初心者には難解なことも。
ここで役立つのがChatGPTです。
ログ内容をそのまま貼り付けることで、どのような意味なのかを分かりやすく解説してくれます。
また、showコマンドに関する説明も丁寧に返してくれるため、機器の動作確認や設定漏れのチェックにも有効です。
ChatGPTでバグ解析・ドキュメント調査も効率的に

FortiGateやCisco製品など、ネットワーク機器には定期的にファームウェア更新があり、時にはリリースノートに記載された既知のバグに遭遇することもあります。
「設定は間違っていないのに通信が不安定…」
そんなときも、ChatGPTに現象と設定内容を伝えることで、英語のドキュメントやナレッジベースを参照し、該当するバグや既知問題を教えてくれることがあります。
さらには、エラー解析用のコマンドや、状況を調べるためのコマンドまで提案してくれるため、調査スピードが大幅に向上します。
注意!ChatGPTの使い方におけるリスクと対策

非常に便利なChatGPTですが、万能ではありません。
ときに誤ったコマンドや情報を提示することもあります。
たとえば、ある値を確認したいと思って教えてもらったコマンドを実機で打っても、「そんなコマンドはありません」というエラーになることも少なくありません。
このため、以下の点には十分注意が必要です:
- ChatGPTの出力は必ず実機で検証すること
- 業務で使う手順書に掲載する前にテストすること
- バグ報告や調査はベンダーへの問い合わせも並行して行うこと
また、絶対にやってはいけないのが、お客様の情報(機器名・IP・構成内容など)をChatGPTに入力することです。
AIの仕様上、情報が第三者に渡るリスクは完全には否定できません。
セキュリティを守る観点でも、企業情報は絶対に入れないようにしましょう。
有料版のChatGPTで得られるメリットとおすすめ機能
ChatGPTには無料版もありますが、業務で本格的に使うなら有料版(ChatGPT Plus)をおすすめします。
私自身も有料プランに加入していますが、明確に以下のメリットを感じています:
- 応答速度が早く、制限が少ない
- 専門的な話題にも対応力が高い
- Deep Searchなどの機能により、より的確な情報が得られる
「このログの意味は?」「FortiGateのこの設定が効かないのはなぜ?」といった実務に即した質問でも、的確な回答が返ってくる確率がグッと高くなります。
少しの投資で、大きな業務効率化が得られると考えれば、十分に価値のある選択肢です。
まとめ:ChatGPTを賢く使ってネットワーク業務を効率化しよう
ネットワークエンジニアにとって、ChatGPTは単なるチャットボットではなく、頼れる業務パートナーになりつつあります。
ログ解析・エラー調査・コマンド確認・バグ検出と、幅広い業務においてサポートしてくれるのがその魅力です。
ただし、情報の正確性やセキュリティに対する意識は常に持ち続けることが重要です。
適切な使い方と理解があってこそ、ChatGPTの真価は発揮されます。
ぜひ皆さんも、自身の業務スタイルに合わせて、ChatGPTをうまく活用してみてください。